今回は神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷にある「箱根小涌園三河屋旅館」に宿泊したブログです。以前から行ってみたいとは思っていたのですが、なかなか時間的なゆとりがなく今回が初訪問となります。明治16年創業という歴史のある宿ですからとても楽しみですね。
明治16年創業の老舗宿
三河屋旅館の創業はなんと明治16(1883)年、創業140年の超老舗旅館です。画家・竹久夢二、歌人・与謝野鉄幹、晶子夫妻、中国革命の父・孫文らが泊まったというまさに歴史の生き証人であります。
この見事な唐破風入母屋造りの玄関に圧倒されます。ここ最近はピカピカの宿ばかりに泊まっていたのでその風格に圧倒されます。三河屋旅館の創業者・榎本恭三が開いた16,000㎡の 庭園「蓬莱園」も見事なものだと聞くのですが今回は見学を断念しました…。
こちらが玄関口となります。やはり古さはあるものの真新しいピカピカの宿とは違った趣を感じますね。
こちらがロビーとなります。チェックアウト・チェックイン共にここで手続きをしました。
ロビーにはお土産屋さんもあります。温泉のもとや温泉卵、饅頭など温泉の定番アイテムが売られていました。
ここがラウンジです。
混んでいるときはかなり賑やかになるかと思われますが、たまたま空いていたのでとても落ち着いた空間でした。
日中のラウンジからはこのような景色を楽しむことが出来ます。大正ガラスがレトロな雰囲気を醸し出しておりますね。
こちらではコーヒーなどを無料でいただくことができます。
ウエルカムドリンクとお菓子をいただきながらチェックインを済ませます。
客室までの道のりで…
部屋までの道のりに旅館について説明してもらったのですがとにかく歴史が古い!
こういった建築が好きな方にはたまらないのではないでしょうか。
こちらの建物などはあまりに古すぎて耐震工事が必要となり現在は宿泊不能なのだそう…。実は旅館の中を見学することも可能です。管理人も見て回りました。後半に写真を少し載せますので興味のある方はぜひ。
離れ露天風呂付客室
今回管理人が宿泊したのは「離れ露天風呂付客室」です。三河屋旅館には露天風呂付の部屋が10部屋あり、こちらの一棟立ての離れは5部屋あります。
こちらが管理人が宿泊した部屋となります。純和風、古さは感じますがとても清潔な空間です。
離れの広さは約60~65㎡(庭園露天風呂含む)和室8 ~ 10畳 + 6~ 7.5畳とのこと。部屋の間取りやデザインはそれぞれ違うとのことです。
縁側からは庭が見えます。それほどダイナミックな景色ではないですが、ここで落ち着いてお茶でも飲むのも良いかもしれませんね。
一応テレビもあるのですが滞在中は一度もみませんでした。
ベッドルームには120cm × 195cmのセミダブルベッドが2つ並んでいました。
布団を敷いてもらえるかどうかは確認できませんでしたが、いちおう居間にスペースはあるように思いました。ただ、ベッドの寝心地はよかったです(笑)
ベッドルームには加湿器と
エアコンがあります。右側のベッドだとエアコンの風があたるかもしれませんね。
化粧室も綺麗
こちらが化粧室となります。
出来たばかりのピッカピカな空間…とはいきませんが、しっかりと清掃も行き届いていますし、洗面器もおしゃれでいいと思います。
アメニティも一通りそろっています。ローションなどはDHCのものがありました。
こちらがトイレです。トイレも汚れ一つありませんでした。やはり清掃は老舗も重視するおもてなしの基本…
冷蔵庫とポットを発見しました!
でも冷蔵庫の中は空でした(笑)
お楽しみの客室付き露天風呂!
さて、では目玉の客室風呂を見ていきましょう。まずはこちら内風呂となります。
目玉は露天風呂なのですが、正直言って内風呂もかなりいい感じであります。無機質なバスルームと違って温かみを感じる空間です。
もちろん内風呂も温泉です。
こちらが客室付き露天風呂です!すごい!広い!景色も良い!
湯船はめちゃくちゃでかい!というわけではありませんがそれなりの広さです。
もちろん自家源泉から引いた温泉を楽しむことが出来ます。
どうですか?箱根の名湯に入ってみたいと思いますよね?かなりいい感じですよ!
で、風呂からの景色なのですが、これも悪くないです。さすがに正面はのぞき対策の為に木々が生い茂っていますが…。
少し視線を変えればこのような景色を見ることが出来ます。
雨模様の山々がかえっていい雰囲気を出していました。
質素な部屋のつくりに比べて客室付き露天風呂がえらく豪華な気がしました。このために泊まるというのは有りかもしれませんね…。
夕食&朝食へ
夕食はこちらの本館食事処でいただくことになります。
完全個室というわけではないのですが、しっかりと個々のスペースが区切られていました。
これが当日の夕食のメニューとなります。なんとなんと鍋がメインなんですねえ。
こちらが前菜となります。
まあこれも彩り豊かで美味しいのですが、本番はこの後です。他の旅館ではなかなか味わえないものが出てきます。
こちらがメインディッシュの三河屋特製甘酒鍋です!なんとメインが本当に鍋なのです!鍋がドーンと出てくる旅館は記憶にありません…。
こちら鹿の肉です。いわゆるジビエ鍋であります。チョビチョビつまむ量ではなく、しっかりと満足できる量が出てきます。
ご覧ください。めちゃくちゃ美味そうですよね!?ほうれん草、エノキ、れんこん、コラーゲンボール、白菜、ヒラタケ…と鍋に必要なものが全部入ってます。なんちゃって鍋ではありません。まさか本格的な鍋を堪能できるとは思ってもみませんでした。
もちろんご飯とお味噌汁は別でいただけます。鍋にご飯をぶちこんで雑炊にしたいところですが我慢しました…。
デザートはイチゴ、オレンジ、メロンなどでした。
さて、こちらが翌朝の朝食のメニューとなります。前夜の鍋には驚きましたが朝食は割と普通でした。
とは言え、ボリュームはそれなりにあります。
管理人はこの卵がとても好きなのですが同意していただける方はいらっしゃいますかね…。
野菜もしゃきしゃき感があって美味しいサラダでした。
定番のアジの開きです。管理人は子供のころからこれが大好きなのです…。夕食にアジが出たときは喜んだものです。
この豆乳豆腐も美味い!どれだけでも食べられそうです。
ちなみにこのお米は御殿場産のコシヒカリなんだそうです。コメの味には疎いのですが久々のコメの味に舌鼓をうちました…。
絶対したほうがいいよ館内散策
さて、創業百数十年の歴史を誇る三河屋旅館ですが、なんとその歴史ある館内を見学することが出来ます。
このような感じで案内に従って見学することが可能です。
まず目に入ってきたのはこの花月という食事処です。
ここでは多くの歴史上の登場人物が飯を食ったそうです。うーん凄い。
この洗い場をご覧ください。この古さ!管理人のおばあちゃんの家にこんな感じの洗い場があったと思います。さすが明治創業です…。
流石に全ての写真を載せるのは難しいので、ぜひ皆さんもこのちょっとした歴史体験ツアーを楽しんでみてください。
また、ロビーには歴史資料の展示室もあります。こちらも必見と言えるでしょう。
すみません。こちら腰かけがあったのですが、展示室の内部かラウンジの横にあったものが忘れてしまいました。とにかくどこを見ても歴史資料みたいなものなので記憶があいまいに…。
こういうちょっとしたところがモダーンなおしゃれさを感じさせてたまりませんね~。
もはや泊まれる文化財か?
とにかくふる~い歴史を感じさせる宿でした。どこを見ても日本の近代史そのものといった感じであります。数々の文人や政治家が泊まったという話にも納得です。ぜひとも安易なリノベなどされることなく、このまま歴史の証人として宿泊客を迎えてほしいと思いました…。
アクセス・データ
総部屋25室
源泉名:小涌谷温泉
源泉の泉質:単純温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉
浴用適応症:関節痛、神経痛、冷え性
露天風呂 あり(男女ともあり(時間交代含む)
箱根湯本駅からバスで20分、蓬莱園下車徒歩0分(小涌谷駅から3つ先)